基礎講座

学習内容



基礎講座は1〜4に分かれています。以下にその内容を示します。

基礎講座1 光源加速器
電磁気学の教えるところによると、荷電粒子は曲げられると電磁波、即ち放射光を出す性質があります。この性質を利用して強力な光を取り出すことができる電子蓄積リングは、高輝度光源として最も優れたものの一つであります。 この講義では高輝度放射光の光源となる電子蓄積リングについて学びました。

基礎講座2 放射光の発生
放射光とは、光速に近い速度で飛んでいる荷電粒子が曲がるときに放出される電磁場で、SPring-8のような高エネルギー蓄積リングの電子からはX線領域の光を発生させることができます。放射光の特色の多くは光源が非常に速い速度(光速に近い) で動いていることに由来します。この講義では挿入光源やアンジュレータについて学びました。

基礎講座3 ビームライン
ビームラインは挿入光源や偏向電磁石から放射されるシンクロトロン放射光を実験装置まで導くためのものです。XAFS、タンパク質結晶構造解析、粉末X線回折、イメージングなど利用目的に応じて構成が異なっているように見えますが、 多くの共通要素から成り立っています。光学系に関しては分光器、ミラー、スリットなどで、波長やバンド幅、空間的広がり、角度的広がりなどを制御します。この講義ではSPring-8において大半を占めるX線ビームラインに関してフロントエンド、光学系・輸送チャンネル などから構成されるビームラインの全体像や、分光器、ミラーなどの主要な光学系について学びました。

基礎講座4 X線の強度を測る
放射光実験ではX線ビーム強度をフォトン数で表すことが多く、「フォトン数/秒」のような単位になります。また、試料に当たるX線量(エネルギー)を議論するときには、単位面積あたりのフォトン数を評価することが多く、フラックス密度 といい「フォトン数/mu/秒」のような単位になります。放射線医学などではX線照射によって物質が吸収したエネルギーを表すGy(グレイ)という単位が用いられ、J/kgと定義されています。これは波長と物質が決まればフラックス密度から換算できます。 放射光実験で用いられているX線ビームは毎秒約0.1〜10000Gy程度の線量率を持っています。この講義ではX線の強度や検出器について学びました。